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G foundation コレクション展 #005 “Hope”を開催します。

G foundation collection Tokyoでは、12月27日より、コレクション展 “hope” を開催いたします。
オープニングレセプション後は忘年会も予定しておりますので、みなさまお誘い合わせのうえぜひお越しください。

2025 年、いろいろありました。あまりよいニュースはありませんでしたかね。辛いことも多かったと思います 。
私も個人的に、良いことも、悪いこともありました。どちらかというと、かなり凹んでいます。この展覧会も
やれる自信がありませんでした。でも、時は待つことなく進んでいきますね。

年を越すというのは、過去をわすれて、新しい年に希望をもつということでもあります。
今回は、Hope をテーマに、つらいときに力をえて、前にすすもうとおもう作品をあつめました。
苦しみからの再生、希望をへて、花が開く。そして、単純に、笑って楽しめるときが来る。
わりあいシンプルなテーマです。あまり小難しいことは考えず、自分のために、癒やされる、心が落ち着く、
慰められる、元気になる、力がわく、希望がわく、という展示にしました。

ここの所、気合をいれた企画の展示がつづいたので、ちょっと疲れました。今回は、少し肩のちからを抜いてコ
レクター的な好きなものを展示するという形にしています。ぜひお楽しみください。

展示概要

G foundation コレクション展 #005 “Hope”

主催 G foundation
会期 2015/12/27(土曜日)〜2015/2/28 (予定)
オープニングレセププション 12/27 15:00〜18:30
忘年会 12/27 19:00〜 (実費制でどなたもご参加いただけます。年末のお店予約のため、参加希望のかたはご一報いただけるとうれしいです)

展示作家 徐震(Xu Zhen) 、吉本直子、宮永愛子、西村祐輔、惺入、JR、高橋恭司、杉田陽平、佐藤玲、山本篤、伊藤桂司

場所
G foundation collection Tokyo (東京都国立市西2丁目11−51

訪問方法
オープニングレセプション以外はアポイントメント制になります。

<同時開催>
特別展示 シュウゾウ・アズチ・ガリバー
隣のKKAO株式会社ビューイングスペースでは、特別展示を期間限定をおこなっておりますので、あわせてご覧ください

アポイントメントについて

  • アポイントメントは、事前に希望の日時、時間をご連絡ください。予定のつく限り、土日祝含め、時間帯なども柔軟に調整いたします。
  • アポイントメントですが、下記QRのインスタグラムの連絡アカウント(@gfoundationtokyo) までにダイレクトメッセージで連絡してください(コメントは読みません、かならずダイレクトメッセージでお願いします)

展示作家と詳細

徐震(Xu Zhen) 「エタニティ:北斉時代の立像仏、アマゾンとバルバリアン」
2016 鉱物系複合材、金箔、鉱物顔料、ステンレス鋼 107.5 × 90.0 × 37.0 cm

この作品は、一見すると非常に衝撃的で、不条理に感じられる作品です。2 つの歴史的な彫刻のコピーを「首の部分」で接合しています。下部は、西洋の古典彫刻、戦う女性戦士「アマゾン」と「バルバリアン(野蛮人) 」上部は、 東洋の仏像。中国の北斉時代(6 世紀)の仏立像。
異なる歴史や宗教、価値観を持つ東洋と西洋が、無理やり一つに繋げられています。仏像の首が切り落とされているのは、中国の歴史における文化遺産の破壊を連想させます。そこに西洋の「暴力的な戦いの像」を接合することで、新しい(しかし奇妙な)美を生み出しています。また、この作品は、レジンや石の粉末をつかった、チープなレプリカでつくられており、現代の大量生産的な視点があります。
「東洋 vs 西洋」「静寂 vs 暴力」「伝統 vs 複製」こうした対比が見るものに衝撃的な印象をあたえます。この作品は、Hope ではありません。むしろ Hope が持てない状況、現在の絶望と、混沌とした状況を端的に示しているものといえます。私達が向き合うべき絶望をまず部屋の真ん中におき、その周りを Hope で囲みました。

吉本直子「the book」
2011 古着

分厚い辞書のように見えるこの作品は、古着で出来ています。作家は古着をあつめそれを重ね合わせ、一冊の本の再構成しています。実際にこの作品は数百ページに渡る布からできていますが、そのすべては真っ白です 。ただ、一ページだけ、「hope」と書かれたページがあり、それを開いて展示しています。
古着は、かつて誰かが着用したものです。この一枚一枚のページには、過去にそれを着た誰かとのつながりがあるはずです。しかしそれは真っ白にされて、古着からは過去の痕跡を読み取ることは出来ませんが。なにかの過去があったことは間違いないのですが、それらはすべて新しく漂白され、水に流されています。
そして、あるのは希望だけです。”hope”

宮永愛子「はるかの眠る舟~「鍵」
2009 ナフタリン、ミックスメディア
7.8 x 6.8 x 2cm

宮永愛子のナフタリンの作品は、時間とともに消えてなくなってしまうものを、レジンに封じ込めて時間を止めています。この作品の裏側には、小さな穴が空いておりがあり、それを開放すると内部のナフタリンが揮発するようになります。その時から、時が進み、ナフタリンはいずれ消えてなくなってしまうでしょう。いつ、どのときに開放するかは、作品の所有者に委ねられています。私は、ナフタリンに、すぐに消えてなくなってしまうような幸せや希望を、見て取ります。でも、それをとどめ置くこともできるのです。でも、いつか絶望のとき、希望を失い、穴を開けてしまう時がくるかもしれません。

いまはその時ではありません。

西村祐輔 「対話するために」
2015 ガラス瓶、はちみつ

西村祐輔の「対話するために」は、ハエ取りの瓶に、はちみつを入れたものです。このはちみつは 10 年前の2015 年に入れられました。それ以来、ずっとそこにあります。はちみつは、周囲の環境と相互作用し、ときには入り込んだ虫を捕まえたり、ホコリをすったりします。はちみつは固くなり、黒くなり、 10 年の時間を記録します。10 年の間には、喜びも絶望も、楽しみも、落胆もありました。そうしたすべてをはちみつは記録しています。
私はこのはちみつをみて、この 10 年の時を思い出し、考えるのです。

惺入 「赤平茶碗」

楽茶碗とは、桃山時代に千利休の美意識に基づき、瓦職人の長次郎が創始した茶碗です。1500 年代から 400年以上、16 代にわたり続いています。
展示している茶碗は 13 代惺入による赤茶碗です。惺入が生きた時代(1887〜1944)は、第一次大戦、太平洋戦争と、相次いで大きな戦争がおきました。長男の慶久 (のちの 14 代覚入)は戦争に招聘され満州に従軍、惺入は終戦の間近に息子の帰りをまたずに亡くなってしまいます。晩年は窯にたく炭も調達できなかった状態だったそうです。惺入の茶碗には、そのような時代にあって、 伝統的な楽茶碗の様式を守りつづけました。次世代にバトンをわたすような静かな、静かな作風です。そこには時代を耐え忍び、いつかくる未来の希望を待つ信念が見て取れます。

JR「Woman are Heros In Kibera Slam, train passage」
2010 8 colors lithograph printed on Marinoni machine 103 x 70 cm

JR の Women are heroes シリーズは、世界の紛争地や貧困にあえぐ地域で、力強く生きる女性に光をあてたシリーズです。スラム街で生きる人々にとって、女性の力強さは希望であり、生活の実際的な生命線です。JR は、ウガンダのスラムでこの写真を撮りました。スラムを貫くように通っている鉄道に、女性たちの目や顔を写真を巨大にして張り出しました。鉄道は、スラムと外界をつなぐ唯一の象徴であるとともに、スラムと外の世界を線引きする線でもあります。JR の活動の根底にはアートで世界を変えることができるかという問が有ります。私はこの写真から、「存在の肯定」を見て取ります。
「わたしたちはここにいる」
存在していないわけではない。鉄道にのってスラムを通り過ぎるだけの外界のひとには、きっとスラムは目にはいらないかもしれません。しかし、「わたしたちはここにいる」。強い希望をもって。

高橋恭司 「Derek Jarman’s Prospect Cottage, Dungeness」写真集「 WOrld’s End」より
1992 C プリント

映画監督のディレク・ジャーマンが、イギリスの海辺の最果ての町、原子力発電所以外になにもない場所に打ち捨てられた小屋をみつけて移り住んだのは 1987 年のことでした。黒いタール塗りの木壁に、鮮やかな黄色の窓枠、家の側面には、ジョン・ダンの詩「昇る太陽(The Sun Rising)」の一節が刻まれています。
彼は、前年 HIV に感染し死期を悟ります。そして、死に向き合うために、この場所を選んだのです。
そこは、浜砂利がひろがる荒涼とした土地で、「世界の終わりの」ような風景です。ひたすら不毛な土地のな
かで、彼は制作をつづけたり、庭を作ったりして最期を迎えます。
この作品は、写真家の高橋恭司がその最晩年にコテージを訪れたときに撮った一連のシリーズ「 WOrld’s End 写真はいつも世界の終わりを続ける」からのオリジナル(ヴィンテージ)プリントです。
写真集を棚に置いておきますので、ぜひそれも見てほしいです。そこには死が撮影されていますが、同時になぜか希望も感じることができます。なぜ希望がみえるのか、私にはわかりません。死の先に希望があるのか、それとも死を悟ったときに希望を見出すのか。私はこの作品を前にしたとき、ただただ見入ってしまう。
圧倒的なリアリティを写した写真なのに、なぜか幻想、幻をみているようでもあります。

杉田陽平「悲しみの家に静かに美しく咲きて」
2008 アクリルにキャンバス、130x190cm

杉田陽平のこの大作は、彼の卒業制作であり、その後トーキョーワンダーウォールに出典されて、ワンダーウォール賞を受賞しました。さまざまな色が入り組み、ダイナミックに厚塗りされたこの絵画は、純粋に抽象的でありながらも、なにかのメッセージを帯びているようなきがします。
タイトルの「悲しみの家に静かに」とあるように、暗い絵の具をつかった重厚で大きなストロークで描かれた背景からもその様子がうかがえます。と同時に、決してこの絵は暗くないのです。とても静かで、優しい。そして暗い背景の中に、わずかに、つかわれる原色の力強いストロークは、「美しく咲きて」を感じさせます。
僕には彼がテレビ番組でみせてくれた優しく美しい人柄が、この絵に宿っているのだとおもいます。見ていて 、
心が安らかになります。癒やしをえることができるのです。大好きな作品で、大切にしています。

佐藤玲 「きみの望んだ色を」
2011 キャンバスに写真プリント、アクリル
80.3 x 100cm

佐藤玲は日常の風景を写真に撮り、それに人物などを書き加えてストーリーを制作します。これは台湾を訪れて制作した一連の作品のなかの一点で、トラックの写真を下地に、さまざまな人物がトラックにペイントをしている風景が書き加えられています。色のないトラックに、これからカラフルな色を書き加えようとしています。タイトルのとおりに、トラックを自分な望んだ色に塗ろうとしているのです。
未来は自分で決めることができる、自分の希望通りの色で塗ることができる。なにも迷うことのないシンプルに前向きな希望をこの作品から感じることができます。僕はこの作品が大好きで、家の玄関にずっと飾っていました。見るだけで、希望がわいてきます。そこにはへんな工作がなくて、ストレートなメッセージだからです。そして、作家は、なんの変哲もないトラックの写真を、みごとに自分の筆を書き加えることによって、望んだ作品に変えているわけです。

山本篤
「Sunny days in Thailand」2013 UHD Video, 12min. 57Sec
「過去と未来は、現在の中に」2016 FHD Video, 31min. 47Sec.

山本篤は私が大好きな映像作家です。彼の作品は、基本的には無意味な行動を写した作品です。まったく意味不明で、あまりの意味不明さに苦笑してしまうほかない作品が多いです。しかしそれはナンセンス作品ではなく、彼の、生きることへの真摯な向き合う姿勢がその根底に流れています。
なぜ無意味な行動の映像から、生きることへのエネルギーを感じることができるのか、それはあまり言葉では説明できないので、ある種の作家のマジックだとおもいます。強いていえば、無意味な行動を、一生懸命、真剣に、本気で行っているからなのかもしれません。
山本篤の映像からは、生きる意味と、エネルギーをもらいます。どんなときでも負けない希望を感じることができるのです。それはきっとご本人の生き方を写しているのだと僕は感じています。

本展では、2 つの映像作品を展示します。
「Sunny days in Thailand」は、タイの各地で「太陽」を開陳するというもので、正直、ひたすら笑うしかない映像です。僕はこれが大好きです。ジャケットの裏側に隠された「太陽」。彼だけの太陽。いつでもどこでも 、太陽で世の中を照らすことができるのです。
「過去と未来は、現在の中に」は、山本篤の作品の中でも特筆すべきものです。彼の 妻の妊娠中に、山本自身が昔の恋人を訪ねるという内容で、「過去、現在、未来」と向き合うという極私的なドキュメンタリー作品です。
一見するとセンシティブで重いテーマのように思いますが、作品を見るとそうではなく、自分の過去と向き合い、現在を認識し、未来を作ろうとする、彼の人生をただ純粋に見てとることができます。
僕はこの作品を森美術館の MAM スクリーンでみたのですが、心打たれて、いつまでも記憶にのこっていた作品でした。いつかまた見ることができればと思っていたのですが、幸いにしてコレクションという形で収蔵することができました。傑作です。少々長いですが、引き込まれますので、ぜひ時間をつくって全部みてほしいです。

伊藤桂司 「Salud!」
2017 キャンバスにアクリル、80 x 65.5 cm

タイトルの Salud!(サルー!)は、スペイン語で、「乾杯」や「お大事に」を意味します。
私はこの作品の背景や意味はよくわかっていません。ただ、なんか、明るい。単純に乾杯!って感じがします。伊藤桂司は、主に、広告、雑誌、音楽関係などの分野でグラフィック・ワーク、アートディレクションを手掛けている作家です。90 年代、まさにバブルの時期の、テイ・トウワ、木村カエラ、スチャダラパーなどの仕事が有名です。シブヤ、PARCO 文化ですね。愛知万博 EXPO2005 世界公式ポスターも彼の作品です。
この作品自体は近年のものですが、要するに、あの90年代の、なにか飛び抜けたノリ、勢いみたいなのを感じます。
ですから、単純に、サルー!「乾杯」でいいのではないでしょうか。乾杯しましょう。

2025.12.27 G foundation 大石

G foundation collection Tokyo について

G foundationは、創設者の大石氏のコレクションを母体に900点以上の現代美術作品を収蔵する財団です。長らくのあいだ、コレクションは外に公開することがありませんでしたが、2021年の財団化をきっかけに、広くコレクションを公開していくこととなりました。

”G” foundation collection Tokyoは、東京都国立市に常設するコレクションスペースになります。

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