
G foundation collection Tokyo では、3月8日(土)より、彌永ゆり子・コレクション及び新作展「parallel realities」を開催いたします。
当財団では、Artist’s Fair Kyoto 2022において発表された「kira card #3」(2022年)をきっかけに、彌永ゆり子作品の収集を始め、インスタレーション「flotsam#7(orange fence)」(2024年)の他、現時点で合計5作品を収蔵しています。
本展の中核を成すインスタレーション作品の「flotsam#7(orange fence)」は、ラズベリーパイと極小ディスプレイによって再生される動く画像データ、ネットやホースなどのオブジェクトが非常に優れた構成を実現しており、近年の彌永のシグニチャーとえるべき代表作になっています。
本展では、当財団スペースにおいてはインスタレーションを中心に当財団のコレクション作品を展示する他、隣接するKKAO株式会社ビューイング・スペースにも展覧会を拡張して未発表の「kira card」シリーズを10作品程度、その他新作や過去作も含めた内容で開催いたします。
また、オープニングレセプションでは、アーティストと文化研究者の山本浩貴氏によるトークショーを開催いたします。デジタル文化とオリエンタリズム・ミレニアル世代の表現などをテーマにお話します。ぜひ皆様お誘い合わせの上、お越しいただけますと幸いです。(トークショー 3/8、16:00-17:00、参加自由)
アーティストについて
彌永ゆり子(いやなが ゆりこ)は1991年神奈川県生まれ、京都市立芸術大学大学院修士課程美術研究科油画専攻を修了し、京都を拠点として制作活動をしています。
彌永は、デジタルで描かれた絵に特有の「質感がない」という質感や「ピクセル」という単位に注目し、それらを表現の主体としています。また、描画過程を見せることで絵画に時間性を持たせ、ループさせることで完成の定義を曖昧にする試みも行っています。
近年では、電子基板やモニターそのものの物質感にも意識を向け、他の素材とコラージュのように組み合わせた表現や、空間全体をキャンバスと見立てたインスタレーション的な作品を制作しています。
本展は、デジタルと物質、そして空間が、重なり合い交錯する彌永独自の世界観を「parallel realities」と題して示すものです。
デジタル・ネイティブと呼ばれる彼ら90~00年代生まれのアーティストたちは、パソコンとネットの技術的発達に呼応する形で実験的なメディア・アートが拡大していった時代に、視覚的な影響を多分に受けて感性を育んできた世代です。
彌永もその例に漏れず、自宅にあったApple Computer社(現・Apple)の初期オーサリング・ソフトウェアであるHyperCardを使って絵を描くという幼少期を過ごしました。絵画に慣れ親しむ原体験としては、ある程度の特殊な環境下にあったことが伺えます。
今やジャンルに関わらず多くのアーティストがアナログとデジタルの境界を横断するような表現を成し得ていることからも明らかなように、ITと美術の表現上における癒合についてはこの時代に大きな転換点があったと考えて良いでしょう。
当財団では、まさに日本の現代美術史における転換期である80年代から90年代の美術表現をコレクションの中核と位置付けています。90年代メディア・アートの領域横断的な色濃い遺伝子が、その後継時代である00年代「スーパーフラット」の屈折した平面性、「マイクロポップ」の小さなものがたりの肯定といったものを通過することで精神的な親となり、当コレクションにも収蔵されている二艘木行洋や梅沢和木らが開いてきたデジタルと絵画における最も先端的な現在形が彌永作品の中に同定することができるのではないか、と考えます。
当日は彌永と文化研究者の山本浩貴氏による対談も開催いたいます。(3/8、16:00-17:00、参加自由)
みなさまお誘い合わせのうえ、ぜひこの機会にご来場ください。お待ちしています。
作品販売について
当財団コレクションスペースの隣に位置するKKAO株式会社のビューイングルームにて、新作の展示・販売を行います。なお、当財団は、販売には関わっておりませんため、販売に関するお問い合わせ等は、KKAO株式会社までよろしくお願いします。
作品販売に関するお問い合わせ先: KKAO株式会社 info@kkaoffice.com
開催概要
G foundation collection #003 Yuriko Iyanaga “parallel realities”
主催 G foundation
協力 KKAO株式会社
会期
2025/3/8(土)〜4/26 (土) ※アポイントメント制です
※3/8日は終日オープン致します。アポイントメントは不要です。
オープニング&アーティストトーク
- 2025/3/8(土)
- 13:00 開場
- 15:00 レセプション
- 16:00-17:00 アーティストトーク (参加自由)
- 山本浩貴(文化研究者) x 彌永ゆり子
- 18:30 CLOSE
場所
G foundation collection Tokyo (東京都国立市西2丁目11−51)
KKAO 株式会社ビューイングルーム
開廊時間
アポイントメント制
- アポイントメント制です。事前に希望の日時、時間をご連絡ください。予定のつく限り、土日祝含め、時間帯なども柔軟に調整いたします。
- アポイントメントですが、下記QRのインスタグラムの連絡アカウント(@gfoundationtokyo) までにダイレクトメッセージで連絡してください(コメントは読みません、かならずダイレクトメッセージでお願いします)
- 3/8のオープニングはアポイントメント不要です。終日オープンいたします。

連絡専用インスタアカウントこちらにアポのご連絡ください。
For your appointment, PM to this instagram account.
G foundation collection #003 Yuriko Iyanaga “parallel realities”
Date
2025/3/8(sat) to 2025/4/26(sat)
*appointment only
Venue
G foundation collection Tokyo (東京都国立市西2丁目11−51)
KKAO Co.Ltd. Viewing Room
Admission
Free of charge
Opening hours
- The space is appointment only. Please contact us on previously.
- We will accommodate visits between 13:00 and 5:30 pm on weekdays as well as Saturdays, Sundays, and holidays whenever possible.
- To make an appointment, please contact us via private message to our Instagram account. QR code is above. (@gfoundationtokyo).
G foundation collection Tokyo について
G foundationは、創設者の大石氏のコレクションを母体に900点以上の現代美術作品を収蔵する財団です。長らくのあいだ、コレクションは外に公開することがありませんでしたが、2021年の財団化をきっかけに、広くコレクションを公開していくこととなりました。
”G” foundation collection Tokyoは、東京都国立市に常設するコレクションスペースになります。

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